【開催報告】久留米高専にて、アントレプレナーシップ強化講演会を実施しました!

2026.10.29

レポート

2026年10月28日、「START-K」の一環として、アントレプレナーシップ強化講演会を実施しました。

今回は、KiQ Robotics株式会社 代表取締役の滝本 隆氏を講師にお迎えしました。高専での研究や学生とのものづくり、起業、そして現在取り組むロボットや宇宙分野のプロジェクトを通じて、学んだ技術を社会につなげる面白さと、新しいことに挑戦する大切さをお話しいただきました。

学生たちの「面白そう」が、社会とつながる

講演の前半では、滝本氏が北九州高専で教員を務めていた当時、学生たちと立ち上げた合同会社NextTechnologyのエピソードが紹介されました。出発点は、学生たちが作っていたロボットキットを世の中で販売してみようという、身近な発想だったそうです。活動を続けるうちに、周囲から「こんなものは作れる?」という相談が寄せられるようになりました。

その一つが、足の臭いを計測する犬型ロボット「はなちゃん」です。足の臭いを面白く知る方法はないかという相

談に対し、学生たちと開発したのは、臭いに反応して気絶する動きを見せるロボット。テレビ番組でも紹介されるなど、注目を集めました。

学生たちの発想は、さらに臭いを検知して消臭剤を噴霧するロボットへと発展。同じ技術は、コンビニのトイレの臭いを計測し、消臭する仕組みにも活用されたといいます。「面白そう」から始まったものづくりが、社会の課題を解決する技術につながっていくのです。

こうした活動に参加した学生たちの進路も、起業だけではありません。スタートアップに就職する人もいれば、大手企業で働く人もいます。アントレプレナーシップを起業だけに結びつけるのではなく、新しいことに挑戦する姿勢として捉えてみてはいかがでしょうか。その力を発揮できる場所は、スタートアップにも、大手企業にもあります。

ロボットの「指先」から広がる可能性

続いて紹介されたのは、滝本氏が代表を務めるKiQ Robotics株式会社の取り組みです。同社は、立体的な格子状の「ラティス構造」を用いて、柔らかさと耐久性を両立するロボットの指先を開発しています。

形状が少しずつ異なる箱をつかむ作業や、実験の自動化など、活用の場はさまざまです。講演では、トヨタ自動車での採用事例や、東京大学に提供した実験自動化システム、九州工業大学と取り組むフィジカルAIに関する事例も紹介されました。高専で学ぶ技術が、多様な産業や研究の現場につながっていることを知る機会となりました。

一方で、技術を社会で使ってもらうまでには、地道な積み重ねが必要です。お客様の現場に足を運び、それぞれの用途に合わせて調整し、耐久性などを確かめながら導入につなげていく。華やかなイメージだけでは見えてこない、事業づくりの実際についてもお話しいただきました。

久留米から宇宙へ。挑戦を続けるプロジェクト

講演の終盤には、久留米の企業と進める人工衛星関連のプロジェクトも紹介されました。「人工衛星を作ろう」という声から始まり、限られた期間で開発に取り組んだものの、搭載したロケットは打ち上げ後に失われたとのこと。それでも、次の挑戦に向けて活動を続けているといいます。

久留米でも、学生が関われるものづくりの場があるそうです。ロボットや宇宙と聞くと遠い世界に感じるかもしれませんが、自分たちが学んでいる技術の先に、その挑戦がつながっています。身近な地域で動いているプロジェクトの紹介は、その距離を縮めるお話でした。

自分の興味を、新しい一歩につなげる

最後に滝本氏から、今回の講演をきっかけに、新しいことにチャレンジしてみてほしいというメッセージが送られました。

講演後には、START-K事務局よりKURUMEビジネスコンテストを、日本政策金融公庫より高校生ビジネスプラン・グランプリをご案内しました。自分のアイデアを発表し、さまざまな人から意見をもらうことも、挑戦の一歩です。

今回の講演が、学生の皆さんにとって、日々の学びや興味を社会とつなげ、自分なりの一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

貴重なお話をいただいた滝本様、ご参加いただいた学生の皆様、そして開催にご協力いただいた久留米工業高等専門学校の皆様、誠にありがとうございました。

「START-K」では、今後も学生の皆さんの挑戦を応援するさまざまなプログラムを実施してまいります。